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概要
扁桃病巣感染症とは扁桃腺(扁桃)の免疫学的異常が原因となり、他の臓器に違った病気を起こすことを言います。これまで多くの難治性の病気が扁桃病巣感染症であることが分かってきています。扁桃を摘出する手術によって多くの患者さんの症状が改善し、病気が治癒しています。
扁桃病巣感染症とはどんな病気なのでしょう?
「扁桃病巣感染症」、あまり聞き慣れない病名であると思います。「扁桃自体はほとんど無症状か、軽い痛みや異和感がある程度であるが、それが原因となって扁桃から離れた臓器(皮膚、関節、腎臓)に引き起こされる疾患」を扁桃病巣感染症と呼んでいます。扁桃病巣感染の歴史は古く、紀元前ヒポクラテスはのどの病気と関節リウマチとの関連を述べたと言います。本症の病態として、最近の知見により扁桃が原因となっておこる何らかの免疫異常であることが明らかになりつつあります。
扁桃病巣感染症にはどのような病気があるのでしょうか?
扁桃病巣感染症として扁桃摘出術(扁桃をとる手術、以下扁摘とします)の有効性は多種多様の疾患で報告されていますが、現在はその極めて高い扁桃摘出術の有効性から、掌蹠膿疱症、胸肋鎖骨過形成症およびIgA腎症が扁桃病巣感染症の代表的疾患として認識されています。
これらの3大疾患の他に、尋常性乾癬やアレルギー性紫斑病などの皮膚疾患、一部の慢性関節リウマチや非特異的関節痛などの骨関節疾患、持続する微熱やベーチェット病などの疾患は扁摘が著効を呈した症例が数多く報告されています。
これらの扁桃病巣感染症の特徴として、掌蹠膿疱症と胸肋鎖骨過形成症、IgA腎症とアレルギー性紫斑病と言うように互いに合併する率が高いこと、さらに急性上気道炎や急性扁桃炎による発症や増悪がしばしば認められることが挙げられます。
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