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唾液腺唾石症に対する内視鏡下摘出

VANS_wound from old HP.png

概要

唾液腺唾石症は唾液腺管に結石ができ、唾液の流出が妨げられるため摂食時の唾液腺腫脹、疼痛、それに続発する感染をきたす疾患である。


唾液腺の中では顎下腺に多く、開口部近くの唾石は口腔底を切開して摘出可能であるが、顎下腺近くの唾石は外切開による顎下腺摘出が行われていた。この方法は根治性が高いものの、手術創が頸部に残ること、まれに顔面神経下顎縁枝の麻痺を生じることから、特に若い女性においては問題となる場合がある。


唾液腺内視鏡手術は唾液腺管開口部から細い内視鏡を挿入し、唾石を確認、内視鏡のチャネルからバスケットカテーテルやレーザープローベを挿入し唾石を摘出、または破砕する術式である。本術式は欧米において広く普及しているが、本邦では2009年に唾液腺内視鏡が薬事許可され、使用が可能となった。


本手術は本邦ではできる施設が極めて限られており、特に北海道では当院だけで施行可能な手術であり札幌を含め全道から患者が紹介されている。

2010年10月より2024年4月まで170例を超える症例に本術法を施行し、『手術創が見えない』『入院期間が短い』等、患者からの評価、満足度は非常に高い。


当科の教授である髙原が日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の英文雑誌に詳細な報告をしている。

PMID: 36775770, DOI: 10.1016/j.anl.2023.01.006

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36775770/

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