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成人の難治性中耳炎の中には、膠原病をはじめとする全身疾患の初期症状、部分症状として中耳炎をきたしている場合がある。それら中耳炎の中で、当科では全身の血管炎を引き起こすANCA関連血管炎の部分症状としての中耳炎を「ANCA関連血管炎性中耳炎」として世界に先駆けて提唱した。本中耳炎は、初期の場合、血液検査、病理検査で本疾患の特徴的所見は得られず診断が困難な場合も多い。また、放置し進行すると肺障害、腎障害、など全身疾患に進行し、頭蓋内病変として頭痛、脳神経麻痺などをきたす肥厚性硬膜炎も起こしうる。また、脳血管病変からの脳出血をきたして生命が危ぶまれることもある。ANCA関連血管炎は、早期診断、治療を行うことで全身症状への進行を抑えることが重要である。
ANCA関連血管炎は膠原病内科で加療されていることも多いが、中耳炎が初期症状として出た場合、中耳炎が専門外の膠原病内科では診断が難しく、治療もなされない場合も多い。当科では本中耳炎に対して、耳鼻咽喉科的立場から、その専門性を生かして積極的に診断・治療を行っている。
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